LOCOSについて解説します!
今回は、「半導体プロセスのLOCOS」について解説していきます。
LOCOSについて全く知らない方、異分野から半導体製造工程に関わることになった方など、初心者向けの記事になります。
半導体のLOCOSとは?
LOCOSの意味・役割とは?
半導体プロセスにおけるLOCOS構造の意味・役割について説明します。
LOCOS構造とは、アイソレーション(ISO:素子分離)の一つです。
半導体デバイスは、シリコンウエハ上に数多くのチップ・素子を作り込んでいきますが、素子同士を絶縁して分離するために アイソレーション(素子分離)を行います。
通常、アイソレーションは序盤の工程で、素子分離して絶縁を確保した後に、デバイスを作り込んでいきます。
LOCOS構造は上図のように、局所的に酸化膜を形成することで、活性領域Aと活性領域Bを電気的に分離して絶縁します。
次項では、LOCOSの形成方法について説明します。
LOCOSの形成方法
LOCOSの形成方法として、まずは上図のようにシリコンウエハ表面を酸化して、酸化膜を形成します。
次に、酸化膜上の任意の箇所に窒化膜を形成して、ウエハ表面を熱酸化させます。
熱酸化させると、上図のように表面に露出している酸化膜は成長しますが、耐熱化性を持った窒化膜がマスクとなり、窒化膜下の酸化膜は成長しないため、酸化膜を局所的に成長させることができます。
最後に、エッチングで窒化膜を取り除けばLOCOS構造が完成します。
バーズビーク(bird's beak:鳥のくちばし)とは?
補足として、バーズビークについて簡単に説明します。
バーズビーク(bird's beak:鳥のくちばし)とは、上図のようにLOCOS構造の酸化膜の先端部分です。
LOCOS構造を形成する際に、窒化膜下の酸化膜が山のすそ野のように先端が成長していくため、このような構造になります。
微細化デバイスでは、活性領域の バーズビーク が平坦化などの関係で歩留まりに悪影響を与えることがあります。
バーズビーク を防止するために、酸化膜・窒化膜の膜厚最適化、酸化条件の適正化など、メーカー独自のノウハウで制御されています。
以上、 半導体プロセスのLOCOS についての説明でした。
ハナハナが参考にしている半導体関連本
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
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