イオン注入法について解説します!
今回は、「半導体のイオン注入法」について解説していきます。
半導体のイオン注入法について全く知らない方、異分野から半導体製造工程に関わることになった方など、初心者向けの記事になります。
半導体の不純物ドープとは?
シリコンへの不純物注入
半導体製造工程では、シリコンウェハに不純物を注入する工程があります。
4価元素のシリコンに、不純物として3価元素のホウ素や、5価元素のリンなどを注入することで、n型半導体やp型半導体を作ることができます。
n型半導体とp型半導体を接合するとpn接合ダイオードになり、3つ接合するとトランジスタになります。
不純物の注入方法としては、イオン注入法と熱拡散法の2種類があります。
今回の記事では、イオン注入法について解説します。
熱拡散法については、以下の記事で解説しています。
半導体のイオン注入法とは?
半導体のイオン注入法とは、イオン化させた不純物元素をウェハ表面から打ち込み、シリコンウェハ内に注入する方法です。
まず、不純物元素のガスをアーク放電によってイオン化させます。
イオン化した不純物ガスに高電圧をかけて加速させ、シリコンウェハ表面に衝突させて、物理的にシリコンウェハ内に注入します。
本:『半導体プロセスの基礎からわかりやすく丁寧に イオン注入・熱処理工程』の説明がとても分かりやすかったので紹介します。
イメージとしては、銃で壁に銃弾(不純物)を撃ち込む感じです。
打ち込まれたばかりの不純物は、シリコンの結晶に並ばず不活性なので、格子欠陥が生じて不安定な状態になります。
注入された不純物によって、シリコン結晶の構造が破壊されるのです。
そのため、結晶格子を整えるための熱処理(アニール)が必要になります。
イオン注入したく無い場所には、レジストを置くことでイオン注入する場所をコントロールすることができます。
実際のイオン注入法では、イオン注入装置によってイオンを注入します。
イオン注入装置は、イオン源、質量分離部、加速部、ビーム制御部の4つから構成されています。
イオン注入しやすさ
イオン注入する元素によって、注入しやすさが変わってきます。
イオン注入する元素は、基本的に3価元素か5価元素ですが、原子番号が小さいBやN(Siより小さい)は、イオンのサイズも小さいです。
そのため、衝突の衝撃が少なく、シリコンウェハの奥深くまで注入されやすいです。
逆に、Siより原子番号が大きい不純物元素はサイズが大きく、衝突の衝撃が大きいためシリコンウェハの奥まで注入されにくいです。
以上、半導体のイオン注入法についての説明でした。
参考になった半導体関連本
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
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