BPSGについて解説します!
今回は、「BPSGの意味・役割・構造」について解説していきます。
BPSGについて全く知らない方、異分野から半導体製造工程に関わることになった方など、初心者向けの記事になります。
BPSGとは?
BPSGの意味・役割
半導体プロセスにおけるBPSGとはBoron Phosphorus Silicon Glass(ボロンリンケイ酸ガラス)の略で、層間の絶縁膜です。
BPSGの成分は、その名の通りボロン(B)とリン(P)を含有させたガラス(Glass)が含まれた酸化膜です。
BPSGは、熱をかけることにより流動化する性質を持っており、半導体プロセスではBPSGをリフロー(不活性ガス中で融点手前の850℃程度の熱をかけて流動化させる)ことで、ウエハ表面の凹凸を平坦化させる目的で使用されます。
半導体素子は、トランジスタの性能向上などで低温化が求められており、リフローの温度をなるべく下げたいという考え方があります。
その場合、BPSGのボロンとリンの濃度を高くすることで、50℃程度の低温化が可能になりますが、吸湿や不純物の析出など膜が不安定となるため、不純物濃度の変更はデバイスに合わせて慎重に行う必要があります。
また、リフローを低温化して、凹凸が残った部分はCMPで削るという考え方もあります。
それでは、次項ではBPSGの構造について説明します。
BPSGの構造
上記がBPSG膜を用いた平坦化の例です。
最表面にBPSG膜を堆積させ、850℃程度の高温でリフローすることでBPSG膜が流動化して平坦化されます。
先ほど、低温化実現のためにCMPを使う考え方があると紹介しましたが、近年の半導体デバイスの微細化に伴い、高い平坦性を実現するためにBPSG膜とCMPを組み合わせて使用することが増えてきました
以上、BPSGについての説明でした。
ハナハナが参考にしている半導体関連本
半導体プロセスの基礎からわかりやすく丁寧に 平坦化・洗浄工程
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
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