今回は、本:『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』の名言7選と感想を紹介します。
目次
本:『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』とは?
本屋大賞、八重洲本大賞など11冠を達成した、ブレイディみかこさんのノンフィクション・エッセイ本です。
主人公である「息子」は、イギリス・ブライトン市の学校ランキング1位の小学校を卒業した後、とあるきっかけから元底辺中学校に通うことになります。
そこは、日本の中学校とは大きく違っていて、新入生によるミュージカル上演、いじめやレイシズム、喧嘩やケバい化粧をした生徒など、かなりぶっ飛んでいて何でもありの環境です。
その中で「息子」は、様々な困難に直面しながらも、持ち前の冷静さを発揮しながら仲間達と成長していきます。
時折、息子が発する聖人君子のような悟った言葉は、大人が聞いても感心する内容で、見どころの一つになっています。
この本のテーマである「多様性」については、現実の問題としてより身近に感じることができると思います。
『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー2』も出ましたので、内容を忘れてしまった方も是非。
ハナハナオススメの一冊です。
本:『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』の名言7選
「頭が悪い」と「無知」について
「頭が悪い」と「無知」は違うんだね。
「息子」の通う中学校では、新入生の団結を高めるために、毎年ミュージカル公演を行っています。
この年はアラジンを演じることになり、息子はジーニー役、ハンガリー移民のダニエルがアラジン役に決まりました。
ダニエルが、ダンスの振り付けを覚えられない黒人の女の子に対して、"ブラックのくせにダンスが下手なジャングルのモンキー"とからかいの言葉をかけました。
「息子」は怒りながら、「ダニエルは馬鹿なの?」と母親に問いかけました。
下記は、それに対する母親の言葉です。
「いや、頭が悪いってことと無知ってことは違うから。知らないことは、知るときがくれば、その人は無知ではなくなる」
本:『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』より
ダニエルは、特に深く考えて発言したのではなく、格好をつけて周囲の大人の真似をしたのでしょう。
私はここで人種差別について深く語ることはしませんが、「無知」について一つだけ。
無知になりたくないなら、本を読みましょう。
世の中には色んな考え方や、自分と立場が違う人が大勢いて、本はそれを知る手助けをしてくれます。
得意なことが似ていると
「ダニエルと僕は、最大のエネミーになるか、親友になるかのどちらかだと思う。得意なことが似ているからね」
本:『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』より
似てる人って、どうしても衝突しやすいよね。
得意なことが似ている人とは、最大のエネミー(敵)になるか、親友になるかのどちらかだと思う。
個人的にはとても納得した言葉ですが、皆さんの中にも共感を覚える人も多いのではないでしょうか。
例えば、部活動のライバルなどはその典型です。
敵か味方かというよりは、「時に敵で、時に味方で」といった感じかもしれませんが。
今はライバルで、すごく嫌な奴だと思っている人も、いつかは親友になることがあるかもしれません。
正義は時として怖いよね
「自分たちが正しいと集団で思い込むと、人間はクレイジーになるからね」
本:『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』より
100%正しいってことは無いんだ。
「正義」って、ある一線を越えると、とても怖いものに変わることがあります。
自分たちが100%正しいと思って、それが集団の考え方になると、人間はとんでもない所までいってしまうことも。
正義を信じる集団と、それを利用する指導者と言えば、皆さんも何人か思いつくのでは?
行き過ぎた正義は、時に暴走を始めます。
この世に100%正しいことなんか存在しません。
普段から、「自分は正しい」と思っている人は要注意です。
多様性は無知を減らす
「多様性は、うんざりするほど大変だし、めんどくさいけど、無知を減らすからいいことなんだと母ちゃんは思う」
本:『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』より
違いがあるのは、普通のことなんだね。
多様性とは、色々な考え方や立場がごちゃ混ぜになった状態です。
世の中には、70億人以上の人がいて、全ての考え方や立場を理解することは不可能です。
大切なのは、「違いがある」ことを理解することだと思います。
他人のことを「分かったつもり」になっている人が一番危険で、そういう所から差別や偏見が生まれるんだろうと思います。
ソクラテスの無知の知ですね。
システムと善意について
「善意は頼りにならないかもしれないけど、でも、あるよね」
本:『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』より
システムが届かない所を、善意が穴埋めしているんだね。
「息子」が路上生活者へのボランティア活動に参加した際に、路上生活者の方から飴玉を貰い、その後に言った言葉です。
恵まれない方への支援は、本来ならば国家の確固たるシステムとして行われるべきですが、現状は「善意」として民間の支援団体が大きな役割を担っています。
人の心は変わりやすく、善意は当てにならないという考え方もあります。
でも、実際「善意」は存在していて、多くの人を助けているという少しホッコリする話でした。
色々あるのが当たり前
あるものを、あるがままに受容する。幼児は禅のこころを持つアナキストだ。
本:『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』より
時には、幼児の頃の気持ちを思い出してみよう。
"常識は偏見のコレクション"というアインシュタインの言葉があります。
常識とは、みんながそう思っているというだけで、それが正しいかどうかは関係ありません。
幼児達の世界はカラフルで、「こうでなくては」「これは普通」「これはおかしい」ということがありません。
たまには常識を疑って、幼児達をお手本にしてみましょうというお話です。
人間は罰するのが好き?
「僕は、人間は人をいじめるのは好きなんじゃ無いと思う。…罰するのが好きなんだ」
本:『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』より
色々あるのが当たり前なんだよね。
悪いことをしたら法律で裁かれるべきで、人は他人を勝手に有罪と決めつけて、罰することは出来ません。
自分を正義だと決めつけて他人を罰するのは、正義では無くて快楽とかストレス発散なんだと思います。
人間は、人をいじめるのが好きなんじゃ無くて、罰するのが好き。
大切なのは「多様性」を理解することですね。
以上、本:『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』の名言7選と感想でした。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
まだ『読んでいない』、もう一度『読み返したい』方はこの機会にぜひ!⬇︎
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