等方性・異方性エッチングについて解説します!
今回は、「等方性エッチングと異方性エッチングの違い」について解説していきます。
等方性・異方性エッチングについて全く知らない方、異分野から半導体の製造工程に関わることになった方など、初心者向けの記事になります。
等方性エッチングと異方性エッチングの違いとは?
異方性エッチングと等方性エッチング
半導体のエッチングには、等方性エッチングと異方性エッチングの2種類があります。
両者は、レジスト直下の膜の削れ方に違いがあります。
等方性エッチングはレジスト直下の膜が削れるのに対し、異方性エッチングはレジスト直下の膜がほとんど削れません。
この違いが、半導体プロセスや製品にどのような影響を与えるのか。
次項では、等方性エッチングと異方性エッチングの特徴について紹介していきます。
エッチングの基本的な考え方については、以下の記事で解説しています。
異方性エッチングの特徴
まずは、異方性エッチングの特徴について紹介します。
異方性エッチングは、レジストに対して被エッチング膜が垂直に削れていきます。
ドライのプラズマエッチング法を用いると、電場によってウエハに対して垂直な加工が可能になります。
異方性エッチングは、レジストと被エッチング膜の寸法差が無いため、フォトレジスト工程のマスクに忠実な加工が可能になります。
異方性エッチングは狙い通りのパターンを形成することができるため、制御の面から等方性エッチングよりも精密な加工ができ、現在は異方性エッチングが主流となっています。
等方性エッチングの特徴
続いては、等方性エッチングの特徴について紹介します。
等方性エッチングは、垂直方向だけでは無く、水平方向にもエッチングが進むため、レジスト直下の膜が台形のような形になります。
水平方向にエッチングされることをサイドエッチングと呼びます。
本来の狙い値であるマスクの寸法からズレが生じるため、不具合が起こる可能性があります。
例えば、形状が不均一なため局所的に電流密度が高まったり、局所的に応力が増加することなどが考えられます。
ウェットエッチングは、薬液によりどの方向からもエッチングされるため、等方性エッチングになります。
また、ドライでも反応性ガスを供給した場合などには等方性エッチングになります。
現在、半導体素子は微細化・高精度化が進んでおり、より高精度な加工が可能な異方性エッチングが望ましいとされています。
以上、等方性エッチングと異方性エッチングの違いについての説明でした。
参考になった半導体関連本
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
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