自己啓発本マイスターのハナハナです。
皆さんは、恩義のルール(返報性の法則)を知っていますか?
恩義のルールは、人の行動に非常に大きな影響を与え、ビジネスなどでも広く活用されている考え方です。
恩義のルールを「知らない」という人は、気付かない内に損をしているかもしれません。
「何となく聞いたことがある」という方が多いと思いますので、この機会に是非参考にして頂ければと思います。
今回は、【恩義のルール(返報性の法則)とは?意味と具体例】を、本:『影響力の正体 説得のカラクリを心理学があばく』を基に紹介します。
本:『影響力の正体 説得のカラクリを心理学があばく』について、詳しく知りたい方は以下の記事を参照ください。
目次
本:『影響力の正体 説得のカラクリを心理学があばく』とは?
心理学の世界的な名著『影響力の武器』の新訳版です。
『影響力の武器』よりも訳が分かりやすく、Kindleでも発売されているので、これから読みたいと考えている人にはオススメです。
他人を説得するカラクリについて、心理学の知見を基に解説しています。
本当に内容が濃く、著者の35年に及ぶ実証ベースの正確な調査と、3年間の研究からまとめられた6つのルールを基本として構成されています。
メンタリストのDaiGoさんも、この本の内容をよく引用しており、心理学に興味がある方には必読の一冊です。
恩義のルール特徴と実例
恩義のルールは、時間の経過や貧困にも勝る
大きな文化の違いや地理的な距離 、すさまじい飢饉 、差し迫った自国の都合にも勝ったのです 。
『影響力の正体 説得のカラクリを心理学があばく』より
良い話だな〜。
恩義のルールは、時間の経過や貧困にも打ち勝つ力を持っています。
メキシコとエチオピアの間に起こった、驚くべき出来事について皆さんに紹介します。
1985年に、メキシコをマグニチュード8.0の巨大地震が襲いました。
家屋の全半壊は約10万棟、死者は約1万人にのぼったそうで、そこから地震の凄まじさが分かると思います。
そこで、東アフリカに位置するエチオピアという国が、メキシコに対して総額5千ドルの義援金を送りました。
「何だ、普通のことじゃん」と思うかもしれませんが、実は凄いことなんです。
当時のエチオピアは、長年の干ばつと内戦により、世界一貧しい国と言われるほど困窮していました。
食糧の供給も滞り、飢えにより毎年何万人もの国民が命を落とす状況だったそうです。
当然、他国に義援金を送るほどの経済的余裕はありませんでした。
それでは、なぜ困窮していたエチオピアがメキシコに義援金を送ったのでしょうか?
それは、「恩義のルール」によるものです。
1935年に、エチオピアがイタリアに侵攻された際、メキシコが援助の手を差し伸べていたそうです。
その時の恩を、エチオピア国民はずっと覚えており、地震で大変な思いをしているメキシコの力になりたいと、義援金を送ったのです。
50年前に受けた恩を覚えていて、自分の国も大変なのに、その時の恩を返すなんて感動的ですよね。
恩義のルールは、好き嫌いにも勝る
普通なら 、頼み事に応じるかを決めるのに大きな影響をおよぼす 、その相手への好意をも 、簡単にしのぎます 。
『影響力の正体 説得のカラクリを心理学があばく』より
好き嫌いよりも優先されるんだね。少し怖い気もするかな。
恩義のルールの前では、好き嫌いも関係ありません。
ある宗教団体が寄付を集める際にも、恩義のルールが使われています。
信者達は、通りがかりの人を呼び止め、寄付のお願いをしていました。
しかし、奇抜な格好をした信者達には誰も寄り付こうとせず、寄付金は全く集まりませんでした。
そこで、恩義のルールに目を付けた信者達は、寄付を呼びかける前に、通行人にプレゼントを渡すことにしました。
プレゼントと言っても、花や本など、それほど高価な物ではありません。
しかし、プレゼントは予想以上の効果を発揮しました。
相手に恩を売ってから寄付をお願いするというこの方法で、宗教団体は莫大な資金を手に入れたのです。
実際に寄付をした通行人でも、そのほとんどは宗教団体を好意的に思ってはいませんでした。
しかし、「受けた恩は返さないといけない」という強迫観念から、嫌々寄付に応じてしまったのです。
街で配っているティッシュなどでも、気をつけないと「恩義のルール」の罠にハマってしまうかもしれませんね。
恩義のルールは、政治の世界でも影響力を持つ
ほかの議員たちにたっぷりと恩を売ってきたからでした 。
『影響力の正体 説得のカラクリを心理学があばく』より
政治とお金ってよく問題になってるよね。
恩義のルールは、政治の世界でも大きな影響力を発揮してきました。
第36代アメリカ大統領のリンドン・ジョンソンは、自身の掲げた公約をいくつも成立させました。
リンドン・ジョンソンは、上下両院で長年に渡って力を持っている間に、数多くの議員に恩を売ってきました。
そのような背景から、ジョンソンの発案に反対していた議員までもが、賛成票を投じるようになりました。
政治の世界では、たびたび「政治と金」について問題になりますが、いつになっても無くなる気配がありません。
それは、「恩義のルール」が持つ影響力が関係しています。
法を犯してまでも、頼ってしまう魅力が「恩義のルール」にはあるんですね。
恩義のルールは、社会的に認知されている
恩義のル ールに従えない人は 、後ろ指をさされます 。
『影響力の正体 説得のカラクリを心理学があばく』より
確かに、恩を受けたら返そうって思うもんね。
「恩義のルール」は、今に始まったことでは無く、遙か昔から人間社会の共通ルールとして、広く認知されていました。
原始時代では、「物々交換」で何か物をあげたら、相応のお返しをもらうというのが一般的でした。
現代でも、相手から受け取るだけで、何も返さない人は嫌われますよね。
そのような共通認識があるからこそ、「恩義のルール」には大きな影響力があるのです。
恩を受けた後には、「相手にお返しをしなければ」というプレッシャーがやってきます。
ピッツバーグ大学で行われた実験では、相手に恩を返せない時は、そのプレッシャーから逃れるために、必要な手助けをを避けるよう行動するそうです。
それだけ、「恩を返す」ことの精神的な負担は大きいということですね。
恩義のルール、断られたら引き下げる
「おじさん 、チケットを買わないんだったら 、板チョコを何枚か買ってくれませんか ? 1枚たったの 1ドルですから 」
『影響力の正体 説得のカラクリを心理学があばく』より
使えそうだけど、ハナハナは使いません!
ビジネスで使える「断られたら引き下げる」というテクニックを紹介します。
正直、少し嫌らしい方法です。
※使用する場合は、自己責任でお願いします。私が使用するのを推奨している訳ではありません。
ある訪問販売業者が、実際に行っている方法です。
訪問先で、購入を断られた場合には、「せめて弊社の商品を購入してくれそうな方を、紹介してくれませんか?」とお願いします。
多くの人は、いきなり「友人を紹介して欲しい」と言われたら断りますが、購入を断った直後では、つい受け入れてしまう人が多いそうです。
一度目の購入を断ったことで、販売員に対して恩があるように感じ、「恩義のルール」が働き、二度目の要求に応じてしまうんだそうです。
皆さんの多くは、販売員では無く消費者側だと思います。
相手が「恩義のルール」を使って何か売り付けて来た時には、どのように対処すれば良いでしょうか。
それは、売りつけられた物と販売員を分けて考えることです。
相手に対して、後ろめたい気持ちが生まれても、あなたの「買う」「買わない」の判断には全く関係ありません。
あなたの基準で、「欲しいか」「欲しくないか」で判断しましょう。
おわりに
今回は、【恩義のルール(返報性の法則)とは?意味と具体例】を、本:『影響力の正体 説得のカラクリを心理学があばく』を基に紹介しました。
説明させて頂いたように、恩義のルールには非常な強力な力があります。
使い方次第では、毒にも薬にもなる考え方ですので、皆さんが前向きに活用して下されば幸いです。
他の記事でも、「他人からYESを引き出す考え方」を中心に、有益な情報をまとめていますので、是非ご一読ください。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
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