半導体の平坦化工程について解説します!
今回は、「半導体の平坦化工程(種類と目的)」について解説していきます。
半導体の平坦化工程について全く知らない方、異分野から半導体の製造工程に関わることになった方など、初心者向けの記事になります。
半導体の平坦化工程【概要】
半導体の平坦化工程とは?(目的)
半導体の平坦化工程とは、シリコンウェハ表面の凹凸を無くして平らにする工程です。
半導体素子は、シリコンウェハに膜やレジストなどの層を何層も積み重ねて形成されています。
凹凸のある状態で層を形成していくと、内部で歪みが生じて、本来繋がってはいけない電極が接触し、ショートしてしまう場合もあります。
また、フォトリソグラフィの露光工程でウェハ表面に凹凸があると、本来露光されるべき箇所に光が当たらず、露光されないということが起こります。
そうなると、レジストが硬化する部分と硬化しない部分が出てくるため、出来栄えに影響を与えます。
半導体素子は年々微細化が進んでおり、それに伴いウェハ内部の構造は複雑さを増しています。
安定した品質を確保し、より精度の高い半導体素子を作るために、平坦化工程の重要性は今後更に高まっていくでしょう。
半導体平坦化工程の種類とは?
続いて、平坦化工程の種類について紹介していきます。
平坦化工程の代表的な手法として、以下の4つが挙げられます。
この記事で全ての手法を解説するのは難しいので、それぞれの概要を簡単に説明します。
①CMP(Chemical Mechanical Polishing)とは、機械的な研磨と薬液による化学反応を組み合わせた手法です。
ウェハ表面に研磨液を流しながら、研磨パットを押しつけて回転させることで研磨します。
②SOG(塗布ガラス)とは、スピンオンガラスの略で、高速で回転させたシリコンウェハの上から、液体のSOG液を塗布し、ガラス膜を形成します。
配線間の溝の埋め込みや、絶縁膜の段差緩和などの目的で使用されます。
③エッチバックとは、成膜工程とエッチング工程を組み合わせて平坦化する手法です。
シリコンウェハ上の凹凸を覆うように成膜し、その後全面エッチングを行うことで、表面の凹凸を無くします。
④リフローとは、シリコンウェハ上の膜に熱をかけて平坦化する手法です。
膜を融点手前まで熱して、流動性を高めることで凹凸が緩和されます。
以上、半導体の平坦化工程についての説明でした。
参考になった半導体関連本
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