シリコンインゴットの作り方(製造方法)とは?

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ハナハナ
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シリコンインゴットの作り方ついて解説します!

今回は、「シリコンインゴットの作り方」について解説していきます。

シリコンインゴットについて全く知らない方、異分野から半導体の製造に関わることになった方など、初心者向けの記事になります。

この記事は、こんな人にオススメ!

・シリコンインゴットに興味がある

・半導体に関わることになった

・半導体の製造工程について調べたけど、イマイチ分からない

シリコンインゴットとは?

この記事では、半導体の製造工程におけるシリコンインゴットについて解説していきます。

シリコンインゴットとは、非常に高純度の円柱状のシリコンの塊です。

半導体用に求められているシリコンの純度は非常に高く、99. 999999999%以上で、9が11個並んでいるところから、「イレブンナイン」と呼ばれています。

シリコンインゴットをワイヤーで薄切りにして、円盤状に切り出したものを、シリコンウェハと呼びます。

このシリコンウェハに別の元素を加えたり、金属膜を形成したり、形状加工したりなど、いくつかの工程を経ることで、純粋なシリコンの結晶から電流制御できる素子を作ることができます。

半導体の具体的な用途については、以下の記事で解説しています。

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それでは、次章ではシリコンインゴットの作り方(製造方法)について解説していきます。

シリコンインゴットの作り方(製造方法)

シリコンインゴットの原料は珪石(けいせき)です。

珪石は地表岩石に27%も含まれており、地球上のどこでも採取可能です。

現状は、価格面でメリットのあるノルウェーやブラジル、中国産が使用されることが多いです。

化学式はSiO 2で、純度の高いSiO 2の石を炭素還元することで、シリコンを取り出します。

還元とは酸素を取り除くことで、SiO 2からO を取り除いてSiだけの状態にします。

シリコンインゴットの製造方法として代表的な手法が2つあります。

チョクラルスキー( CZ)法とフローティングゾーン(FZ)法です。

どちらも種結晶と呼ばれる小さな単結晶に対して、Si溶融液を加えて単結晶量を増やしていくという手法です。

原子が規則正しく並んでいる単結晶に溶液を加えていくと、単結晶の配列に倣って大きく育てていくことができます。

次項では、チョクラルスキー( CZ)法とフローティングゾーン(FZ)法それぞれの手法について解説していきます。

チョクラルスキー( CZ)法

チョクラルスキー( CZ)法では、シリコンの種結晶を多結晶シリコンを溶融させた液に浸します。

種結晶を成長させていき、ゆっくり引き上げてインゴットを製造していきます。

シリコンの溶融は1400℃程度のため、かなりの高温環境化での製造になります。

多結晶シリコンの溶融液は、石英るつぼの容器(SiO 2)に入れられているため、酸素(O 2)の析出により出来上がったシリコンインゴットは、次に紹介するフローティングゾーン法よりも不純物が多くなります。

チョクラルスキー法は他の手法に比べて製造が容易で、安価で、大容量化が可能なため、LSI用で使用されるシリコンは、ほとんどがチョクラルスキー法で製造されています。

チョクラルスキー法の発展技術として、磁場を掛けながら結晶成長を制御するMCZ法という手法もあります。

フローティングゾーン(FZ)法

フローティングゾーン(FZ)法では、種結晶の上に棒状の多結晶シリコンを吊るすように配置します。

種結晶に近い位置の多結晶シリコンを加熱、溶融して、種結晶を成長させていき、インゴットを製造していきます。

チョクラルスキー法では、石英るつぼに入れた多結晶シリコンをまとめて溶融しますが、フローティングゾーンでは、棒状の多結晶シリコンの一部分だけを溶融します。

チョクラルスキー法のように、石英るつぼを使用しないで直接溶融するため、不純物が少なく品質が良いです。

ただし、大口径化が難しく、コストも掛かるためLSI用には使用されておらず、主にパワー半導体やディテクター用に利用されています。

以上、シリコンインゴットの作り方(製造方法)についての説明でした。

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