パーティクルについて解説します!
今回は、「半導体プロセスにおけるパーティクルの意味・定義とは?」について解説していきます。
パーティクルについて全く知らない方、異分野から半導体製造工程に関わることになった方など、初心者向けの記事になります。
目次
半導体プロセスにおけるパーティクルとは?
パーティクルの定義・意味
まずは、パーティクルの定義・意味について紹介します。
パーティクルとは、「微粒子」のことで、極めて小さな埃や塵のような異物をイメージしてもらえば良いと思います。
なぜ、半導体製造工程でパーティクルが問題になるかと言うと、パーティクルが半導体製品の品質に影響するからです。
例えば、パーティクルがウェハに付着すると、その部分に電気が通らなくなったり、構造的な欠陥が出来て不良品になることがあります。
半導体製品は微細化が進んでおり、数nmのパーティクルでも品質に悪影響を与えます。
それでは、パーティクルについてイメージ出来た所で、次項ではもう少し詳しく半導体製品への影響について解説します。
半導体製品への影響は?
どの程度の大きさのパーティクルが、製品の品質に悪影響を与えるかと言うと、製品によって異なりますが、最新のICデバイスでは数nm以上のパーティクルと言われています。
一般的には、ウェハ上のパターンの最小加工線幅の 1/ 10のサイズのパーティクルまでは問題にはならないとされていますので、皆さんの取り扱うデバイスに当て嵌めて頂ければ良いと思います。
先程、パーティクルがウェハ上にあった場合の不良について述べましたが、その他にもフォトリソグラフィのマスクに異物が付着した場合には、パターンが形成されずにパターン不良になることが考えられます。
パーティクルの発生源は様々考えられますが、例えば人が歩いた際に舞い上がった粉塵、装置可動部からの異物付着、空気中に漂う浮遊物資などもパーティクルになり得ます。
パーティクルを0にするのは不可能ですので、ウェハ処理の過程では、洗浄工程でウェハ上のパーティクルを取り除く処理が行われており、全体の20〜30%を占めます。
洗浄工程については、以下の記事で解説しています。
半導体プロセスにおいて、パーティクル低減は、高品質、高歩留まり、信頼性獲得のために非常に重要で、現場では適切な管理が求められています。
それでは、次章では半導体製造工程におけるパーティクル管理の手法について紹介していきます。
半導体製造工程のパーティクル管理
半導体製造装置の管理(パーティクル測定)
まずは、半導体製造装置の管理です。
半導体製造装置は、可動部からパーティクルが発生したり、処理中にデポ物によって汚染されるなど、パーティクルの発生源となり得ます。
そのため、日常的に適切なパーティクル管理をする必要があります。
一般的なパーティクル管理の方法としては、日常点検によるパーティクル数の管理が挙げられます。
パーティクル測定用のウェハを用意し、予めパーティクル測定装置によってパーティクル数を測定し(前測)、通常処理するレシピでウェハの処理を行います。
その後、処理したウェハをパーティクル測定装置で測定することで(後測)、装置内のパーティクルの状態を確認することが出来ます。
パーティクルが一定数以上であれば、チャンバー内をクリーニング、ダミーウェハによるパーティクル除去、消耗品の交換などの対応を行います。
フィルターによる除去
続いては、フィルターによる除去です。
クリーンルームでは、HEPAフィルターや ULPAフィルターと呼ばれる高精度フィルターを用いて空気を清浄化しています。
フィルターをクリーンルーム上部に設置して、常に空気が循環するように空調の管理を行います。
フィルターは消耗品ですので、定期的なメンテナンスが必要になります。
クラス表示管理
最後に紹介するのは、クラス表示です。
クリーンルームは、取り扱う製品の精度によって求められる清浄度が異なります。
より、微細なパターンの製品を取り扱う現場では、求められる清浄度は厳しくなるということです。
JIS規格では「クラス 1〜 9」で表され、クラスが小さくなるほど許容されるパーティクルの個数が少なくなります。
以上、半導体プロセスにおけるパーティクルについての説明でした。
ハナハナが参考にしている半導体関連本
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
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