自己啓発本マイスターのハナハナです。
皆さんは、「武士道といふは死ぬ事と見付けたり」という言葉を聞いたことがありますか?
江戸時代中期(1716年頃)に書かれた『葉隠』という本の一節です。
『葉隠』には現代に通じる考え方も多く、今回紹介する名言は今すぐにでも実践可能なものばかりです。
今回は、【『葉隠』の内容と名言11選】を、本:『葉隠』を基に紹介します。
目次
本:『葉隠』とは?
本:『葉隠』の概要
葉隠とは、江戸時代中期(1716年頃)に書かれた書物で、藩主に仕える者の心構えと、佐賀藩の歴史や習慣に関する知識がまとめられています。
全11巻の葉隠のエッセンスをテーマ別に編集し、葉隠の入門書として昭和48年に発行されたのが本書です。
「武士道といふは死ぬ事と見付けたり」という有名な一節に代表されるように、武士の心構えを説いた名言も数多く記載されており、武士道を理解する上での必読書と言われています。
現代に通じる考え方も多く、過渡期を迎えている現代人のバイブルになり得る名著です。
『葉隠』の名言11選
①死ぬ覚悟を持って物事に勤める
いつでも討死する覚悟に徹し、まったく死身になりきって、奉公も勤め、武道をも励んだならば、恥辱をうけるようなことはあるまい。
本:『葉隠』より
武士の世界は、いつどうなるか分からないから、常に覚悟している必要があるんだね。
葉隠には、「武士道といふは死ぬ事と見付けたり」という有名な一節があります。
常に死ぬ覚悟を持って奉公に勤め、武道を修練することで、武士としての役目を果たすことができる。
切るか切られるか、死と隣り合わせの戦国時代だからこそ、死ぬほどの覚悟を持つことが必要だったのです。
現代を生きる私たちからすると、死が間近にある感覚を理解するのは難しいですが、ここぞという時には参考にしたい考え方です。
②一瞬、一瞬と積み重ねて一生となる
まさに現在の一瞬に徹する以外にはない。一瞬、一瞬と積み重ねて一生となるのだ。
本:『葉隠』より
今を全力で生きるってことだね。
人生を、線では無く点で捉えようという考え方です。
今という瞬間を全力で生きることで、後々振り返ると良い人生だったなと思える。
そういう生き方が出来たら、最期には「幸せな人生だった」と言えるんだろうなと思います。
過去の失敗や未来への不安に囚われている方は、ぜひ参考にしてみてください。
ちなみに、「今、この瞬間」に集中するためには瞑想がオススメです。
③いざというときは、いまである。
いまというときが、いざというときである。いざというときは、いまである。
本:『葉隠』より
やらない理由を考えるのは、もう辞めよう。
「時間ができたら」「お金があったら」「いざとなったら」そう考えていても、チャンスは永遠にやってきません。
時間やお金は自分で作るもの、いざという時は今です。
みんなチャンスだと気づいていないだけで、本当は今この瞬間にも成功へのヒントは転がっています。
できない人は、覚悟が足りていない人で、結局決断を後回しにしているだけです。
さあ、決断するなら今です。
④一念発起すれば天地をも貫き通す
何事でも不可能ということはない。一念発起すれば天地をも貫き通すという。だから、できないのではない。
本:『葉隠』より
「できない」と思ったら、本当にできなくなっちゃうんだね。
人間が想像できることは、大抵実現できると言われています。
今よりずっと競争の激しかった戦国時代では、「できない」と思った瞬間から本当にできなくなる、つまり敗北を意味します。
できるかできないかは自分の心が決めること。
せっかくなら、自分の可能性は自分自身で信じてあげたいですよね。
私が大好きな本:『思考は現実化する』でも同様の内容が書かれていますので、興味がある方はオススメです。
以下の記事で一部内容を紹介しています。
⑤智・仁・勇の三徳を備える
身を修めて智・仁・勇の三徳を備えることだ。
本:『葉隠』より
武士の基本的な考え方が分かるね。
武士道では、智・仁・勇の3つの徳が重視されています。
智とは、善悪を正しく判断する知恵のことです。
より洗練された智を身につけるためには、客観的な知識・考え方を蓄積することが必要です。
仁とは慈愛のこと、つまり他者を想う優しい心のことです。
正義を含んだ慈悲の心は、気高きものとして認められてきました。
勇は、「正義」を成すための「勇気」のことです。
相手がどんなに卑劣で危険な行いをしても、「勇気」を持って自分の正義を貫くのです。
また、新渡戸稲造の著書:『いま、拠って立つべき“日本の精神” 武士道 』では、「義」「勇」「仁」「礼」「誠」「名誉」「忠義」の7つの徳について紹介されています。
以下の記事で解説していますので、武士道についてもっと詳しく知りたい方は、ぜひ読んでみてください。
⑥人知れず思う恋とは?
一生、口に出さないで、思いを心に秘めたまま死んでいく人の心が、もっとも深い愛なのだ。
本:『葉隠』より
武士道と恋が似てるとは、、、
武士の奉公に対する姿勢は、人知れず思う恋に似ています。
常に殿のことを思い、命を落とす覚悟で奉公に勤める。
ただし、殿に対する忠義の心を他人に喧伝することはなく、決して殿からの見返りも期待しない。
そのように武士の胸中に秘めた熱い思いが、武士の品性を高め、周囲から尊敬される一因になっています。
⑦年長者を敬うこと
年功を経た者の話などを聞くときには、たとえ自分が知っていることでも、十分に尊敬して聞くことだ。
本:『葉隠』より
年長者には、私たちに見えていないことが見えているんだ。
年長者を敬うという考え方は、武士だけではなく、全ての人が取り入れるべき考え方です。
年長者の話している内容が理解できない時は、若者には見えない何かが見えているのかもしれません。
それは、今まで積み重ねてきた経験や、長年の勘からくる場合が多いです。
今は理解できなくても、ふとした瞬間に腑に落ちることがあります。
年寄りの戯言だと思わずに、尊敬の念を持って心に留めておきましょう。
⑧他人の意見を聞く
人よりすぐれた境地を得ようとすれば、自分のすることについて、他人の意見を聞くことである。
本:『葉隠』より
自分1人の考えには限界があるんだ。
他人の意見を素直に受け止め、良いと思った箇所は積極的に取り入れていきましょう。
自分1人の考えだけでは、意見が偏ってしまいますし、必ずしも良い考えが浮かぶとも限りません。
人は、他人の意見を取り入れた分だけ、凡人より一段高い所に行くことができるのです。
⑨批判的な意見を出してみる
他人が黒いと言えば、黒いはずはない、白いはずだ、白い理屈があるに違いないと、白いということに理屈をつけて考えてみるならば、
本:『葉隠』より
反対意見は、より良い結論を導くヒントになるんだね。
他人の意見にすぐさま同調せずに、一度批判的な意見を出してみるという方法もあります。
これは、弁証法と言って物事の本質を理解するために、古代ギリシャで生まれた考え方です。
1つの意見に対し、あえて対立する意見を出すことで、どちらの意見も切り捨てず、より高い次元の結論を導くことができます。
口論になるのを避けて、あえて反対意見を言わない人がいますが、それはあまり関心できない考え方です。
反対意見には、より良い結論を導くためのヒントが詰まっています。
⑩他人に不幸があった時こそ、手を差し伸べる
何によらず、人が不幸なときはとくに近づいて、見舞いをしたり、贈物をしたりすべきだ。
本:『葉隠』より
確かに、辛い時に助けてくれた人のことって、いつまでも覚えているもんね。
他人に不幸があった時こそ、こちらから積極的に手を差し伸べましょう。
人は、自分が不幸な時に受けた恩はいつまでも覚えているものです。
心理学に、恩義のルール(返報性の法則)というものがあり、他者に恩を感じると、受けた恩以上のお返しをしようとする心理効果です。
日本人の多くは、小さい頃から「困っている人がいれば、手を貸してあげなさい」と言われてきました。
理屈や損得勘定だけでは無く、困っている人を助けられる人でありたいですね。
⑪噂話は慎むべし
口を慎む者は、善政の御世にはよく用いられ、悪政の御世にも刑罰に処せられるようなことはない。
本:『葉隠』より
噂話には注意だね。
本人がいない時に、その人のポジティブな噂話をすることを「ポジティブ・ゴシッピング」と言います。
直接褒めるよりも、第三者を介することで内容の信頼性が増し、相手から親近感を持たれる可能性が高まります。
逆に、本人がいない時にネガティブな噂話を流す人は、嫌われやすいというデータもあります。
ネガティブな噂話は、発信しないように注意しましょう。
おわりに
今回は、【『葉隠』の内容と名言11選】を、本:『葉隠』を基に紹介しました。
「葉隠についてもっと詳しく知りたいけど、難しいのは苦手」という人は、マンガ版も出ていますので、そちらから読むことをオススメします。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
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