半導体について解説します!
今回は、「半導体」について解説していきます。
半導体について全く知らない方、異分野から半導体に関わることになった方など、初心者向けの記事になります。
半導体とは?
「半導体」とは、電気を通しやすい「導電体」と、電気を通しにくい「絶縁体」の中間の性質をもつ物質のことです。
しかし、この説明だけだと抽象的でよく分からないと思います。
なぜ、電気を通しやすくもなく、通しにくくもない中途半端な性質を持つ物質が、世の中で広く使われているのか。
その理由としては、半導体が特定の条件を満たすことで、性質を変えることにあります。
例えば、半導体の温度が変わることで、抵抗値が変化したり、ある種の不純物を含ませることで電気を通しやすくなります。
こうした半導体が変化する性質を利用することで、電子回路の制御を行うことが出来ます。
半導体の具体的な用途については、次の章で解説しますが、例えば記憶を保持するメモリ、温度を測るセンサ、光を発するLEDなど、半導体は身の回りの様々な物に活用されています。
一般に「半導体」と言うと、半導体の材料や物質的な意味だけではなく、半導体が使用されている電子部品(ダイオード、トランジスタ、IC)などを指すことも多いので注意が必要です。
半導体5つの用途具体例
気体の圧力を測定するセンサ
それでは、半導体の具体的な用途について紹介していきます。
まず最初は、気体の圧力を測定するセンサです。
半導体には、気体の圧力が加わると電気抵抗が変化する性質(ピエゾ抵抗効果)があります。
半導体に圧力が加わった時の抵抗の変化量を、電子回路で処理・増幅することで、圧力を数値として表示することが出来ます。
半導体を使った圧力センサは、家電や産業用機械、自動車の圧力計等、身の回りの様々なものに活用されています。
ちなみに、ピエゾとはギリシャ語で「押す、圧縮する」という意味です。
温度を測るセンサ
続いては、温度を測るセンサです。
半導体を用いた代表的な電子部品にダイオードがあります。
ダイオードは、一方向(順方向)には電流が流れやすく、逆方向には電流が流れにくいという性質があります。
順方向への電流の流れやすさは、温度によって変化します。
温度が高ければ流れる電流は多く、温度が低ければ流れる電流は少ないため、その性質を利用することで温度を測るセンサが出来るのです。
また、ダイオード以外に温度を測れる半導体素子としてサーミスタがあります。
サーミスタは、温度変化に対して抵抗値が大きく変化する半導体です。
サーミスタは、他の温度センサに比べて小型で安価に製造できるため、家庭用、産業用問わず様々な場所で活用されています。
記憶を保持するメモリ
続いては、記憶を保持するメモリです。
半導体を用いた代表的な電子部品であるMOSFET(金属酸化膜半導体電界効果トランジス)と、コンデンサを合わせるとDRAMと呼ばれるメモリが作れます。
DRAMに電荷が蓄えられた状態を「1」、蓄えられていない状態を「0」とすることで、データの読み取りを行うことが出来ます。
半導体メモリは構造が単純で、安価で大容量の製品を製造できるため、パソコンやスマートフォンのメインメモリ、家電製品などあらゆる電子機器に使用されています。
近年、半導体メモリの微細化が進んでおり、1セット100nm程度の大きさで作ることが可能になっています。
光を発する LED
続いては、光を発する LEDです。
特定の半導体材料を用いて作られたダイオードは、LED(発光ダイオード)と呼ばれ、決まった方向から電圧を掛けるとエネルギーを光として取り出すことが出来ます。
LEDの接合部では、自由電子とホールが再結合し、その時のエネルギーを光として取り出すことが出来るのです。
LEDが光を発する原理を理解するためには、「バンド理論」を理解する必要がありますが、少し複雑なため、他の記事で改めて説明致します。
代表的なLEDの材料としては、アルミニウムガリウムヒ素(AlGaAs)や窒化ガリウム(GaN)などがあります。
信号機、家庭用照明など、多くの照明機器でLED化が進んできています。
太陽光発電する部品
最後に紹介するのは、太陽光発電する部品(太陽電池)です。
太陽光発電する部品は、太陽の光エネルギーを吸収して、直接電気に変換する素子です。
シリコンなどの半導体で作られていて、素子に太陽光が当たると、太陽光の強さに比例した電気を作り出します(光起電力効果)。
LEDが光を発するのと逆の原理を利用しており、実際、LEDに特定の条件で太陽光を当てると光らせることも出来ます。
以上、半導体についての説明でした。
参考になった半導体関連本
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
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